先日、「日本理化学工業」という会社の見学に行ってきました。
「日本でいちばん大切にしたい会社」という本で初めてこの会社の存在を知りましたが、障害者雇用を積極的に実践しており、ダストレスチョークでは国内シェアNo1を維持している会社です。
1960年に初めて知的障害者を雇用して以来、50年以上に亘って雇用し続け、今では従業員の70%以上が知的障害者だそうです。
今回の見学で、私自身いろいろな気づきや学びを得られましたので、こちらでも少し書かせていただきます。
まず最初に、こちらの大山泰弘会長の話を聞かせていただきました。
その話の中で特に印象的だった話は、
働くということついて
「福祉施設で面倒みられた方がずっと幸せなのに、なぜ彼らは毎日働きに来てくれるのかわからない。」
そんな疑問を大山会長が抱いた時、禅寺のご住職がお答えになったそうです。
人間の究極の幸せは4つです。
「愛されること」
「ほめられること」
「人の役に立つこと」
「人に必要とされること」です。
ほめられること、役に立つこと、必要とされることは働くことで得られます。
これができるのは福祉ではなく企業。
また「愛」も仕事が与えてくれる。
なぜなら、相手を理解し、思いやり、励ましながら、目標に向かって力を合わせるなかから、お互いを愛し愛される関係が生まれるからです。
そういったことから大山会長はご自身の活動の正しさを知ったそうです。
また、人間の幸せは、働くことによって手に入れることができる。
このシンプルな真理に気づかせてくれたのは、彼ら障害者だったそうです。
わき目もふらず、一心不乱に作業に打ち込み、休憩のベルが鳴っても手を休めようとはしない。
なぜこんなに夢中になれるのかが大山会長も不思議でならなかったそうです。
しかし、「上手にできたね」「がんばったね」とほめると彼らの嬉しそうでもあり、誇らしげでもあるその笑顔から、人は仕事をすることで、ほめられ、人の役に立ち、必要とされるからこそ、生きている喜びを感じることができる、家や施設で保護されているだけでは、この人間としての幸せを得ることはできない。
だからこそ、彼らは必死になって働こうとするのだ、とわかったそうです。
健常者にとっては、「働く」ということは当たり前のことなので、この働く幸せは意識することすらしないかもしれませんが、これが人が働くということの意味なのかなと思いました。
大山会長のお話の後、実際に会長の案内で工場内を見学させてもらいましたら、みんな一生懸命仕事している姿が印象的でした。
この写真に写っている方はすべて知的障害者の方たちです。
こういった健常者ではなく障害者の方々が仕事できるようにするには並大抵の努力ではできないと思います。
ですから、今回は「人に教える、人を育てる」ということについても、とても参考になりました。
ここから感じたのは、「できない人はいない、ダメな人間はもともといない」ということです。
誰でも仕事することができるし、もしできないとしたら、それはその人個人の問題というよりも教える側の問題、教え方が悪いのだと思います。(ひいては、すべて経営者の責任です)
今回の見学から、研修その他も含めて、仕事のやり方、経営のやり方など、いろいろ考えさせられることがたくさんありました。
ここで気づいたこと、学ばせていただいたことは参考にさせていただき、今後の仕事のやり方、人の育て方など、よりよい方向に改善していきたいと思っています。
ただ、障害者の方を雇用できるかどうかは仕事内容によっても違ってきますし、ここのやり方をただ真似るということはできません。
根本の考え方、マインドを参考にさせていただき、是非うちの仕事に合った形にアレンジしていきたいと思います。
うちの仕事内容から言って、障害者の方に働いてもらうには、すぐには難しいかと思います。
しかし、ちょっと視点を変えて、高齢者の方を雇っているという点では、他の会社とはちょっと違うと思っています。
特に年齢制限は設けていませんし、しっかりやってもらえれば働けるうちは働いてほしいと思っています。
そんなことも考えながら、これからの採用方針、業務のやり方を考えてみたいと思います。
それにしても、つくづく自分はまだまだだなと痛感させられると同時に、こんな素晴らしい人を大切にする会社にしていきたいと強く思いました。
また行きたいですね。
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