つい最近、香取貴信さんが書いた「他の店が泣いて悔しがるサービス」という本を読み返していました。
香取貴信さんは、ご存じの方も多いと思いますが、以前ディズニーランドで働いていた経験から「社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった」という本を出版し、現在は、感動するサービスについての指導や活動をしている方です。
この「他の店が泣いて悔しがるサービス」を最初に読んだのは、もう7年くらい前。
この本の中に登場する数々の「感動するサービス」を読んでいると、こんなサービスができてお客さんから感謝される仕事をしたいなぁといつも思っています。
決して大袈裟ではなく、ホントよんでいるだけで感動して、ウルウルきちゃう内容のものもあります。
この本の中で紹介されたのをきっかけに知った北九州の美容院「バグジー」さん。
このバグジーさんも、その後、かなり有名になったので、ご存じの方もいらっしゃると思います。
とにかく、このお店、お客様に喜ばれるサービスを心がけ、毎年120%の成長を続けているそうです。
そして、働いているスタッフの育成にも力を入れており、みんなスタッフがお客様を喜ばせるために仕事をし、「技術だけでなく、スタッフの人柄、人間性を売ること」を徹底しています。
そして、バグジーでは、毎月1回スタッフミーティングの際、スタッフが「感動した本」を持ち寄り、その一節を順番に読み合っているそうですが、香取さんの本に紹介されていた話が素晴らしかったので、こちらでご紹介します。
それは目の見えない14歳の女性の話です。
彼女は自分の不幸を嘆き、目の見えない自分を生んだ母親をいつも恨み、責め続けます。
ただ、あるとき、ふとしたことで、母親が「ごめんね」って言いながら、一人ですすり泣いているのを聞いてしまう。
このとき、彼女は気づくのです。
「目の見えない子を産もうなんて思う親はいるはずがない。それなのに、そのお母さんに対して自分はなんてひどいことを言ってきたのだろう」
と言ったことに。
それから、彼女は、自分の人生をもう一度見つめなおそうと心から改心します。
そのころ、彼女はある作家と出会います。
その作家が彼女に
「もし、願いが叶うとしたら、あなたはどんな願いごとを神様に言いますか?」
と聞きます。
彼女は即答します。
「もし、願いが叶うとしたら、1時間でもいい、私の目を見えるようにしてほしい。1時間がダメだったら、10分でもいい。10秒でもいい。目が見えるようになりたい。」と。
作家がさらに聞きます。
「あなたは目が見えたら何を見るの?」
彼女が答えます。
「私は、お母さんの膝の上に頭を乗せて、目が見える間じゅう、お母さんの顔をずっと眺めていたい。」
この話を読んでいたスタッフは、読んでいる途中から涙声になっていたそうです。
そして、涙を流しながら読んでいたこのスタッフは、このお店の売上ナンバーワンだそうです。
何とひとりで、年間2000万円以上の売上を立てているそうです。
すごいですよね、美容院は普通、平均単価4000~5000円くらいでしょうから、この売上がいかにすごいかがわかります。
そして、他人や仲間の前で、自分をさらけ出して泣けるくらいの優しさに溢れている人こそ、お客様に感動的なサービスができる人だと書かれていました。
私自身、こんな感動的なサービスができるスタッフさんを育てたいなと強く思います。
そのためには、まずは自分自身を磨かなければいけません。
決して現状に満足せず、「自分はまだまだ」と謙虚さを忘れずに、少しでも成長できるよう努めていかなければと思います。
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